さまよう刃/東野圭吾

ガリレオシリーズではない東野圭吾ももちろん読んでいて面白いものが多いですが,被害にあった人が加害者に対して復讐することを中心に描く普通の推理モノとはちょっと違う漢字の作品です.

読者側は,誰が犯人かわかっている状態で,少年法によって守られている未成年の誰が娘の命を奪ったのかを父親が探すというお父さんの復習のお話です.

もちろん,私的な復讐はあるまじき行為でありますし,少年法がある以上,加害者の名前や写真が報道されないのもお決まり事なのですが,話が進むにつれて,父親以外の周囲の人達がだんだんと少年法が本当に正当なものなのかを疑問視し始めるようになります.

この話を読み終えると,果たして少年法って必要なのかなとも思ってしまいます.もちろんこれだけですべてを語ることなど不可能ですし,現に少年法が必要とされることも,現在の報道の状況を鑑みればわからなくもないです.

個人的には,それを適用するか否かを判断することが必要かと思いますけれど,なかなかそんな仕組み作りづらいよなとも思います.

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